【図解】フカセ釣りの半遊動仕掛けを徹底解説!タナ取り&沈め釣り

フカセ釣り

前回の記事では、フカセ釣り初心者の方が最初に覚えるべきおすすめの仕掛けとして「半遊動(はんゆうどう)仕掛け」をご紹介しました。

しかし、「半遊動仕掛けが良いのは分かったけれど、現場で具体的にどうやって釣ればいいの?」「風が強い日はウキが流されてしまって全然思い通りにいかない…」と悩む方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、フカセ釣りの王道である「半遊動仕掛け」について、さらに一歩踏み込んで徹底解説する完全マニュアルをお届けします!

チヌ(クロダイ)を狙う上で絶対に欠かせない「タナ取り(底取り)」の具体的な手順や、釣果を伸ばす「這わせ(はわせ)」テクニック。さらには、強風や二枚潮といったフカセ釣り最大の敵(悪条件)をねじ伏せる応用技「半遊動沈め釣り」まで、詳しく解説していきます。

この記事を読んで2つの釣り方をマスターし、海の状況に合わせて使い分けられるようになれば、あなたの釣果は間違いなく劇的にアップします。さっそく見ていきましょう!

1. フカセ釣りの王道「通常の半遊動仕掛け」を極める

まずは基本中の基本である、通常の半遊動仕掛けのおさらいと、より実戦的なテクニックについて解説します。

半遊動仕掛けの基本構成と各パーツの名称

仕掛けの仕組みと各パーツの重要な役割

半遊動仕掛けの最大の特徴は、道糸に「ウキ止め糸」を結びつけることです。これにより、ウキがそれ以上上に移動しないようにし、狙った深さ(タナ)にエサをキープし続けることができます。

仕掛けを構成する各パーツには、それぞれ以下のような重要な役割があります。

  • ウキ止め糸: 仕掛けの深さを決める「ストッパー」の役割。これをこまめに上下にズラして、その日の水深や魚のいる層に合わせます。
  • シモリ玉: 小さなビーズ状のパーツ。これがないと、ウキ止め糸がウキの穴をすり抜けてしまい、タナが固定できません。
  • ウキ(棒ウキ・円錐ウキ): 魚のアタリを視覚的に伝えるセンサー。B〜1号など浮力のあるものを使用し、仕掛けを遠くへ飛ばすためのオモリの役割も果たします。
  • ウキスイベル(棒ウキと管付きウキの場合):ウキを糸に通すためにウキスイベルが必要になります。また、これによりウキの交換が簡単になります。
  • からまん棒: ウキが仕掛けの下部(サルカンやハリス)に絡まるのを防ぎます。
  • ガン玉(オモリ): ウキの浮力に合わせて打つオモリ。仕掛けを素早く海中へ馴染ませ、ウキを水面で垂直に立たせます。

ただし、棒ウキと管付きウキにおいてシモリ玉の機能がついているウキスイベル(シモリペットなど)を使う場合はシモリ玉は不要です。

チヌ釣りの最重要プロセス「タナ取り(底取り)」の完全マニュアル

チヌ(クロダイ)は、海底に溜まったマキエなどを拾い食いするため、基本的に海底付近で釣れることが多いです。

そのため、半遊動仕掛けでチヌを狙う際は、「釣り場の水深を正確に測り、サシエを確実に底付近へ届けること」が釣果を左右する最大の鍵となります。この水深を測る作業を釣り用語で「タナ取り」または「底取り」と呼びます。

タナ取りは、釣り針にゴム管付きオモリなどの重いオモリを刺して海に投入し、ウキの反応を見て行います。ウキの浮力よりも重いオモリを使うため、ウキが沈むか浮くかで水深が判断できるのです。

タナ取りの失敗例(ウキ下が短すぎる場合・長すぎる場合)

【失敗例1:ウキ下が短すぎる場合(画像左)】
設定したウキ下(針からウキ止めまでの長さ)が実際の水深よりも短いと、仕掛けが張り切ってもオモリが底に着かず宙吊りになります。そこからオモリの重さに引っ張られ、ウキは完全に海中へ沈んでしまいます。この場合は、ウキ止め糸を「上(リール側)」にズラしてウキ下を長くします。

【失敗例2:ウキ下が長すぎる場合(画像右)】
逆にウキ下が水深よりも長すぎると、オモリは底に着きますが、そこからウキまでの糸が大きくたるんでしまいます。結果として、ウキにオモリの負荷がかからず、ウキは海面でパタンと横に寝てしまいます(ただし非自立ウキに限る)。この場合は、ウキ止め糸を「下(針側)」にズラしてウキ下を短くします。

※「自立ウキ」を使っている場合は寝ませんが、代わりにウキのトップが水面から不自然に高く飛び出た状態になります。これらの場合は、ウキ止め糸を「下(針側)」にズラしてウキ下を短くします。

水深とピッタリ合った状態「トントン」を見つける

ウキ止めを少しずつ動かしながら、何度か仕掛けの投入を繰り返します。

タナ取りの成功例(ウキがピンと立つ状態)

【成功例:水深とピッタリ合った場合】
微調整を繰り返し、オモリが底に着いた状態で「ウキのトップ(目盛りの部分)だけが海面から顔を出してピンと立った状態」になれば、タナ取りは完了です!

この、水深とウキ下がピッタリ合った状態を、釣り用語で「トントン」と呼ばれたりします(特に紀州釣り)。まずはこのトントンの水深を把握することが、チヌ釣りのスタートラインです。

釣果を倍増させるテクニック「這わせ(はわせ)」

水深を「トントン」に合わせたら、そのまま釣りを始めても良いのですが、チヌ釣りの場合はそこからさらに一工夫を加える場合があります。それが「這わせ(はわせ)」というテクニックです。

サシエが底で安定する這わせテクニックの図解

トントンの状態から、あえてウキ止め糸をさらに上へズラし、ウキ下を水深よりも長く設定します。

まずは数十センチぐらいから始めるといいでしょう。

海の中は常に潮が動いています。ウキ下がピッタリ(トントン)すぎると、潮の流れに押されたり波でウキが上下したりした際、サシエが底からフワフワと不自然に浮き上がってしまい、警戒心の強いチヌに違和感を与えてしまいます。

あえてウキ下を長く取る(ハリスの一部を海底に這わせる)ことで、以下のようなメリットが得られます。

  • サシエが底でどっしり安定する: 波や潮の影響を受けにくくなり、大型のチヌも安心してエサを食い込んでくれます。
  • エサ取りの猛攻をかわせる: サシエが底で安定することでアジやサバなどの中層を泳ぐエサ取り(小魚)の目につきにくくなり、本命のチヌがエサを見つける確率が上がります。
  • 食い込みが良くなる: 道糸に少しゆとりがあるため、チヌがエサをくわえて反転した時にウキの抵抗を感じにくく、食い込みがよくなります。

ただし、ウキ下を長くしすぎるとウキにアタリがでなくなるので注意が必要です。

2. 悪条件を力でねじ伏せる「半遊動沈め釣り仕掛け」

さて、ここまで通常の半遊動仕掛けを解説してきましたが、この仕掛けにも弱点があります。それは「強風」「二枚潮(水面付近と底付近で潮の流れが違う状態)」といった悪条件に遭遇した時です。

ウキが海面に浮いているため、強風が吹いたり上潮だけが滑って流れたりすると、体積の大きいウキだけが表面の波や風に引っ張られてしまいます。すると、海中の仕掛けがマキエから大きく外れたり、せっかく這わせたエサが底から浮き上がってしまったりして、全く釣りにならなくなります。

そんな悪条件を力技で克服する最強の切り札が「半遊動沈め釣り」です。

半遊動沈め釣り仕掛けの全体図

仕掛けの仕組み:あえてウキを海中へ沈める

ウキ止め糸を使うところまでは通常の半遊動と同じですが、ウキの浮力設定を意図的に変えます。

例えば「B」の浮力を持つウキに対して、ウキの浮力以上の重いガン玉を打つことで、仕掛け全体を「マイナス浮力(沈む設定)」にします。

仕掛けが馴染むと徐々に沈む軌道の解説

この仕掛けを投入すると、まずはウキ止め糸の位置まで、エサとオモリがスルスルと一直線に落ちていきます。
そして、ウキ止めがウキに到達して仕掛けが一直線に張る(馴染む)と、そこからはウキごと海中へジワジワと沈んでいくのが最大の特徴です。

水面にあるから風や波の影響を受ける。ならば、ウキごと海面下へ沈めてしまえば、表面の悪条件を無効化できるという理屈です。仕掛けを沈め込むことで、チヌがいる「底潮(本流)」にしっかりと仕掛けを乗せ、マキエと同調させることが可能になります。

なぜ「全遊動の沈め釣り」ではなく「半遊動」なのか?

ウキごと沈めるなら、最初からウキ止めのない「全遊動の沈め釣り」と同じでは?と思うかもしれません。

全遊動仕掛けは表層からゆっくり全層を探るのには向いていますが、水深が10m以上あるような深い場所や、エサ取りが表層に群れている場所では、本命の底に到達する前にエサを取られたり、仕掛けを沈めるのに時間がかかりすぎたりする弱点があります。

一方「半遊動沈め釣り」は、ウキ止めの位置(例えば底から3m上など)まではオモリの力で一気にスピーディーに落とし、そこから下の「本命がいる底層」だけをじっくり探ることができます。
エサ取りの層を一瞬で突破し、手返し良く底周辺をダイレクトに狙えるため、チヌ釣りにおいて非常に理にかなった攻撃的な釣法なのです。

また、全遊動の沈め釣りでは仕掛けが今どの深さにあるのか分かりづらいですが、半遊動の沈め釣りだとウキが沈むタイミングで今仕掛けがどの深さにあるかというのが目視することができます。

ウキが見えない!沈め釣りのアタリの取り方

ウキが海中へ沈んで見えなくなるため、「ウキがポコッと沈む」という視覚的なアタリは楽しめません。アタリの取り方は、通常の半遊動と大きく異なります。

沈め釣りでは、海面に出ている道糸(ライン)の動きや、竿先に伝わる感触でアタリを取ります。
魚がエサをくわえて走ると、海面に漂っていた道糸がピンと真っ直ぐになって勢いよく出たり、竿先が「ククッ」と力強く持ち込まれたりします。普通のウキ釣りとはまた違った、体感にダイレクトなアタリは一度味わうと病みつきになります。

このアタリを出すためには、「ラインメンディング(道糸の修正)」が命です。糸がたるみすぎているとアタリが出ず、張りすぎていると仕掛けが沈みません。「張らず・緩めず」の絶妙な糸フケを保ちながら仕掛けを流していくのが、この釣りをマスターする最大のコツです。

まとめ:状況に合わせて「浮かす」か「沈める」かを選ぼう

同じ半遊動仕掛けでも、海の状況によって「浮かすか・沈めるか」を使い分けることで、釣果は劇的にアップします。

仕掛けのスタイル おすすめの状況 特徴・役割
通常の半遊動仕掛け 無風〜微風時
潮の流れが素直な時
ウキの動きを見てアタリを取るフカセ釣りの基本スタイル。タナ取りを確実に行い、特定のタナを狙い撃つ。
半遊動沈め釣り 強風時・波が高い時
二枚潮の時
食いが渋い時
ウキを沈めて水面の影響を完全に排除。本命のタナまで一気に落とし、底付近をなじませながら探る悪条件の切り札。

フカセ釣り初心者のうちは、まずは「通常の半遊動仕掛け」で底取りをしっかりして、ウキが消し込む痛快なアタリに合わせる基本をしっかり身につけましょう。これがすべての土台になります。

そして、「今日は風や二枚潮で釣りにならない…」と感じた時は、仕掛けにガン玉を追加して「半遊動沈め釣り」に挑戦してみてください。今までなら早々に諦めていたような厳しいコンディションでも、本命のチヌを引きずり出すことができるはずです。ぜひ次回の釣行で試してみてくださいね!

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